建設業界って若者がどんどんいなくなりますよね。
残念ながら事実ですね。
- 建設業の若者離れって、他業界と比べると当たり前な気がする
- 今後の働き方改革で労働環境は改善されるの?
- 建設業界で働いていくか悩んでいる。
建設業の若者離れは大きな問題で、建設業界はオワコンなんていわれる始末です。
僕は建設業の施工管理から金融業の発注者に転職しホワイトに働いています。
この記事を読めば、建設業の若者離れの理由が他業界と比較することで客観的にわかります。
業界全体の課題は、個人の力で解決することは難しいため、僕のように建設業の経験を生かし異業種に転職することも視野に入れるべきです。
詳しく解説しますので読んで見て下さい。
すぐオススメの転職先を知りたい方はこちらの記事で確認してみて下さい。
建設業の若者離れが当たり前となった背景
まずは建設業界の現状について解説します。
終わってるなんて聞くこともあります。
建設業界の将来性を図る建設投資額はピーク時の3割減
建設業の若者離れが当たり前となった背景に、建設投資額の減少が挙げられます。
建設投資額とは、建設業界の市場規模を表す代表的な指標の一つです。建築投資額が大きければ大きいほど、大きな市場の業界であると言えます。
建設投資額の推移は以下の通りです。
建設投資額は、平成4年度の約84兆円をピークに下降線を辿っており、令和3年時点では約58.4兆円で、3割近く減少している事実があります。
その他、許可業者数はピーク時から▲21.1%、就労者数はピーク時から▲28.1%と軒並みピーク時から縮小していることから、業界全体が不景気になっています。
そして、2022年に入り新型コロナウイルスやウクライナ情勢などの影響で、人件費や資材価格の高騰が続いている状態で、今後もますます厳しい市場であることが予想されます。
建設業界は人手不足が当たり前な現状
建設業の若者離れが進む背景として、人手不足が当たり前となっている現状があります。
理由は、有効求人倍率の高さです。建設業は他業種に比べ大幅に高い数字となっています。
有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で雇用動向を示す指数です。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多く、下回れば求職者の数の方が多いことを示します。
建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.83、作業員の有効求人倍率は5.41です。(2022年10月現在)
つまり、企業が6社求人を出しているのにそのうち1人しか働いていないということです。
ちなみに全職業の有効求人倍率は1.23で、建設業の人手不足と不人気ぶりが数字で明らかになっているのが現状です。
建設業の高齢化問題
最後に、建設業界の高齢化も大きな要因となっています。
実際、どのくらい高齢化が進んでいるかというと、下記のグラフの通りです。
建設業の29歳以下の割合は約1割、55歳以上が3割の構成です。
日本全体が少子高齢化なので、他業界でも同じ現象ではあります。しかし、グラフの通り全産業と比較しても建設業の高齢化は顕著にでてしまっています。
10年後には36%近くの労働者が引退してしまうことを考えると由々しき自体です。特に、職人に関しては次世代への技術継承や後継者不足など深刻な問題です。
建設業の若者離れが当たり前な5つの理由
次に若者離れが当たり前となった理由を解説します。
どれもあるあるですね…
建設業は人手不足が当たり前なので長時間労働が基本
若者が建設業を見放す最大の要因は、建設業の長時間労働です。
実際どのくらいの労働時間なのか他業界と比較しているのが、下記のグラフになります。
2020年度時点で、年間の総労働時間について、全産業に比べ360時間以上(約2割)長い結果となっています。
これでも2007年から比べると80時間減少しています。なので改善されているように見えますが、全産業は2007年から比べ186時間減少しています。相対的に見るとまだまだの数値です。
加えて、年間の出勤数についても、全産業に比べ32日多く働いているのが実情です。
4週8休を推進している建設業界ですが、建築工事に至っては発注者が民間なこともあり、15〜20%程度です。
他業界の人より30日以上多く働いているって衝撃じゃないですか?
みんな、その間休みってことですよね…
他業界と比べてしまうと若者が建設業から離れてしまうのもわかる気がします。
ただ、働き方改革が浸透してきており、徐々にですが「施工管理はやめとけ」とも言い切れなくなってきています。詳しくはこちらの記事で解説しています。
建設業はパワハラ・セクハラが当たり前のイメージが強い
建設業はパワハラ・セクハラが当たり前のイメージが、まだまだ強いです。
要因は、建設業を退職した人達のネガティブな発信が挙げられます。
某有名Youtuberも建設業出身で、その厳しい労働環境や昔ながらの悪しき風習について赤裸々に発言されていることが多いです。
体験談だから嘘ではないんですよね。
建設業は、昔からの悪しき風習のイメージを払拭できないのかもしれません。
建設業は柔軟に働けないので人気ない
働く環境を選択できないことも若者離れに繋がっています。
新型コロナウイルスの影響で、リモートワークという働き方が急速に早まりましたが、建設業では浸透していません。
学生の頃からリモートで物事を進めるのが当たり前の世代にとって、常に会社に出社しなければいけない現場の働き方は窮屈なのかもしれません。
また、フレックス制度など働く時間を自由に選択できない環境も、不人気の要因となっています。
現場の稼働時間が決まっているため仕方がないことはわかっています。しかし、今後子育てなどを考える世代にとっては他業種が魅力的に見えてしまうのは当然です。
建設業は今も昔も変わらず3K(きつい・危険・汚い)のイメージ
建設業は昔から3K(きつい・汚い・危険)と言われる業界です。
昔程ではないにしろ、他業界に比べてまだまだ3Kな労働環境であるのは事実です。
夏場の暑さや冬場の寒さ、雨や雪の中でも働かなければいけない厳しい労働環境であることは今も昔も変わりません。トイレは仮設で汚いですし、作業着のまま電車に座るのは煙たがれたりもします。死亡事故も昔に比べ少なくなりましたが、まだまだあるのが現実です。
改善はしてきているものの、他業界に比べて働く環境がよくないため、若者に受け入れられていないです。
若手の天敵!建設業にはびこる老害たちの存在
厳しい労働環境の中でも、若手はたくましく育つものです。
しかし、オールドスタイルな働き方を押し付けられうんざりする若者は数多くいます。
オールドスタイルの考え方
- 昔のできるやつは徹夜で仕事をしていた。お前もがんばれ
- オンライン会議?対面が一番だから現地にこい!
- CADが使えないから、お前がやっておけ
老害となるのは情報をアップデートできない方です。情報をアップデートできず、今の時代についていけないため若手にそのシワ寄せがきています。
若者はオールドスタイルの働き方しかできないことにも嫌気が指してしまい、建設業から離れてしまいます。
考え方がアップデートできない老害が多い環境は、若者離れの理由のひとつです。
建設業の若者離れを食い止める対策
建設業イメージ悪すぎです。
もちろん国や企業も対策を考えてるよ
2024年から本格的に残業時間の規制が始まる
2024年から建設業の残業規制が始まります。
具体的に何が変わるかというと、以下のとおりです。
年間の労働時間の上限は720時間(平均残業70時間)です。また、月の残業時間にも細かく上限が設けられており、規定内に収まらないと法令違反となります。
既に他業界では実装されている上限で、5年の猶予期間を経て2024年から本格的に規制されます。
実際、大手企業などは早々と先行して残業時間削減に向けて取り組んでいます。今後、中小企業など業界全体に浸透するか注目されています。
建設DXの推進で生産性の向上を図る
人材不足や業務効率化で注目されているのが、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)と言われるIT技術の導入です。
IT技術の導入
- BIM
- ITツール
BIMは、設計段階からバーチャル上で建物を構築しておくことで、設計や施工ミス防止、部材情報が入力ができるCADに変わる新しい技術だったり、ペーパーレスや他業種との図面や資料共有など業務の効率化を図る技術です。
上記のようなデジタル、ITを積極的に取り入れ生産性の向上を図る動きが活発になってきています。
最先端の技術の担い手として、若手に対する需要が高まっています。
建設業で働く若者に未来はない?働き方改革による効果はすぐにはでない
色々な対策は施しているものの、すぐにホワイトな業界になることは考えにくいのは、何となく想像できるのではないでしょうか。
なぜなら、建設業には数多くの企業や職種が存在するからです。
各企業が全て残業規制をクリアできるなら、現在すでに改善するはずですし、DX技術の導入できる企業は限られるでしょう。この問題は業界全体の問題なので、若者を中心とする一個人で解決する問題ではありません。
もちろん、明るい未来に向けて全身する必要はありますが、色々な対策の効果は5~10年しないと出てこないのではないでしょうか。
個人的には、もし今建設業に不満を感じていて、その問題が建設業界に起因するようであれば、僕のように異業種に転職することもありです。
転職が当たり前の時代、柔軟なキャリアを考えることは何もおかしなことではありません。
施工管理から異業種への転職先のおすすめ
異業種転職って難しいんじゃ…
施工管理からオススメの転職先を紹介します。
ファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントとは、建物などのファシリティを最適化し経営に貢献する仕事になります。
ファシリティマネジメント職は、施工管理に比べてライフワークバランスがよいです。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 発注者として働ける
- ワークライフバランスがよい職場環境
- 施工管理の経験が強みになる
デメリット
- 収益部門の部署ではない
- 採用のハードルは高い
- 求人が少ない
いわゆる発注者の業務で、施工管理の経験を生かすことができ、建設業以外の異業種で働くことができるのが最大のメリットです。
ただし、求人数も少なく、ある程度建設業界の経験がないとなれないのがデメリットです。
僕も働いており、ワークライフバランスを整えたい施工管理の方には非常におすすめです。
詳しくはコチラの記事で解説しています。知っておいて損はしないと思いますので、一度目を通して見て下さい。
プロパティマネジメント
ファシリティマネジメントと似た職種で、プロパティマネジメントという職種があります。
プロパティマネジメントは、ビル全体をトータルでマネジメントする仕事です。
ディベロッパーや建物を所有する企業の子会社で、ビルマネジメント会社と言われることがあります。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 発注者として働ける
- 施工管理の経験を生かすことができる
- 大企業の子会社も多い
デメリット
- 配属先によって仕事内容に差がある
- 受託業務なので裁量権は少ない
- 給料は施工管理より少し下がる印象
ファシリティマネジメントと似たようなメリット、デメリットはありますが、発注者として働け、施工管理経験を生かすことができるのがメリットです。
給料面はファシリティマネジメントより少し下がる可能性がありますが、発注者として働きたいといった方におすすめの職種です。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、いわゆるビルメンといわれる職種で、防災センターの常駐員をイメージするとわかりやすいです。
ビルの設備点検や日常業務の管理など、建物の維持保全業務を行う職種になります。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 残業が少ない
- 応募条件が緩いので未経験でも入社可
デメリット
- 夜勤がある
- 給料は資格がないと少ない
ビルメンテナンスは、とにかく残業が少なく未経験でも入りやすいのが最大のメリットです。
ただし、夜勤があったり、給料は資格を取得しないと低いのがデメリットです。
とにかく、ワークライフバランスを整えたいといった方におすすめです。
その他、発注者の仕事でオススメの業種はこちらの記事で解説しています。
まとめ
それではまとめです。
建設業界は、他業界と比較して投資額の減少や人手不足や作業員の高齢化が問題となっている業界です。長時間労働や3K、ダイバーシティの欠如、働き方の柔軟性のなさなどがないため若者離れが進んでいます。
国や各企建設業者が改善に向けて取り組んでいるもの、まだまだ時間がかかるのが現状であり、個人で対応できることは限られています。
もし現状に不満があって、その不満が業界全体の問題だとしたら僕のように異業種に転職することも考えてもよいかもしれません。
では、また。
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