
設備施工管理はやめとけって本当ですか?

僕も経験したけど、向き不向きがはっきりする仕事です。。
- 施工管理はやめとけっていわれる理由か知りたい
- 設備施工管理ってどんな仕事?
- 施工管理の仕事に興味あるけど、自分に向いているのか不安
施工管理はきつい仕事だからやめとけ!とよく言われますが、本当にやめておいたほうがいい仕事なのか気になりますよね。

僕はサブコン施工管理を8年経験し、現在はファシリティマネージャーという職種でホワイトに働いています。
この記事は、設備施工管理の仕事内容や、やめとけといわれる理由、向いている人向いていない人の特徴について解説します。
記事を読み終えると、設備施工管理は本当にやめたほうがいいのか判断できます。
設備施工管理は向き不向きがはっきりしている業種ですが、自分を成長させたいと思っている人にはおすすめの仕事です。
比較的ホワイトな企業の特徴についても解説しています。ぜひ最後まで読んで見て下さい。
設備施工管理とは


まず設備施工管理について簡単に説明します。

設備といっても色々種類があってよくわかりません。
設備施工管理の仕事内容
設備施工管理は、いわゆるサブコンといわれる業種で、大きく分けて『電気設備工事』、『空調設備工事』、『衛生設備工事』の3種類あります。
電気設備工事は、電力の引き込みから幹線設備、照明・コンセント、中央監視設備、通信・情報設備など電気を安定供給する設備になります。
空調設備工事は、熱源機器、空調機器、換気設備、配管・ダクト設備、排煙設備など建築物内の温度、湿度、気流、空気清浄を調整する設備です。
衛生設備工事は、給水、給湯、排水通気、衛生器具、排水再利用・雨水再利用の水処理に関する設備です。また、浄化槽・消火設備・ガス設備なども含まれます。
ちなみにエレベーターやエスカレーターは、建築設備工事で、建築工事の範疇になることが多いです。
設備施工管理は、電気・空調・衛生工事のいずれかの施工管理(安全・コスト・工程・品質)を行う仕事になります。
建築施工管理(ゼネコン)との設備施工管理(サブコン)の違い
設備施工管理と建築施工管理は、似ている仕事ですが立場が大きく違います。
具体的な違いは、元請けと下請けの違いになります。
設備工事は、建築工事が大きな割合を占めるため設備工事を下請けとする契約が一般的です。
ただし、コストオン方式など直接施主と設備工事が契約を結ぶ契約形態があるのですべてではないことは覚えておいてください。
設備施工管理と建築施工管理の違いは、元請けと下請けという立場の違いです。
設備施工管理はやめとけといわれる理由7選


次に設備施工管理はやめとけと言われる理由について説明します。

気になります。
建設業は若者離れが進んでいる業界
建設業は若者離れが進んでいる業界です。
若者離れが進む要因は、業界全体で下記の問題が深刻化しているからです。
若者離れの原因
- 建設投資額はピーク時の3割減
- 慢性的な人手不足
- 従事者の高齢化問題
建設業界の将来性を図る建設投資額は、ピーク時比べ3割も減っており業界全体が減少傾向であることに加え、有効求人倍率が5倍で人手不足が深刻化しています。
また、他業種に比べ高齢化が進んでおり、若者が魅力的に感じる業界ではないのが現状です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
労働時間が長い
施工管理は長時間労働で有名です。
なぜなら、日中の現場稼働の前後に仕事があるからです。
現場の稼働は通常8:00~17:00になります。
朝は、全体朝礼前の準備や新規入場者対応などで30分〜1時間前には働き始めます。夜は、次の日の作業の準備や書類整理、施工管理、施工管理計画図の作成などで終電近くまで働くことも多いです。
施工管理の労働時間が長いところがやめとけと言われる理由です。
休日出勤が多い
施工管理の仕事は、休日出勤が多い仕事になります。
理由は、土曜日も現場が稼働しているからです。
国が土日休みを推進していますが、施主との契約上、土曜日出勤が必要なのが現状です。最近では週休2日の現場も多くなってきて、まだまだ土曜も稼働している現場も多いのではないでしょうか。
施工管理は年間を通して、休日が少ないこともやめとけと言われる理由です。
3Kな労働環境
3K(危険・汚い・きつい)といえば、建設業の代名詞です。
昔ほど建設現場のイメージは悪くないですが、ホワイトカラーに比べるとまだまだ3Kと言わざる得ません。
施工管理といえど体力が資本の仕事ですし、現場のトイレは普通の感覚だと利用できないのが正直なところです。工事現場での死亡事故はどんなに気をつけていてもまだまだ発生しています。
3Kな労働環境は昔から施工管理はやめとけと言われる理由です。
施工管理のきつさについては下記の記事で詳しく解説しています。
設備工事の現場ヒエラルキーが低い
ここからは設備施工管理特有の理由です。
設備施工管理は、なぜか現場内でヒエラルキーが低めです。
諸説ありますが、個人的には建築施工管理が設備工事について理解していないことが原因だと思っています。
基本的に建築施工管理は、設備の工事内容まで把握しておらず、設備施工管理者に一任していることがほとんどです。そのため、建築施工管理は無理な工程を引きがちですし、工事があることすらも知らないこともしばしばです。
もちろん、まともな建築施工管理者もいますが、設備施工管理は現場ヒエラルキーが低いのは認識しておいたほうがよいです。
設備工事は建築工事の工程に影響を受けやすい
設備工事は建築工事の工程に影響を受けやすいです。
なぜなら、設備工事のピークは建物がある程度出来上がってからだからです。
そのため、建築工程が遅れるとその分しわ寄せがきます。工期は変わりませんからね。実際、新築工事でまともに工程通り進んでいる現場はほとんどないと思います。
建築工事の工程に影響を受けるため、設備工事が忙しくなるのは宿命ともいえるかもしれません。
設備施工管理の仕事は建築施工管理に比べ分業化が進んでいない
設備施工管理は建築施工管理に比べ分業化が進んでいないです。
その要因は、設備施工管理にオールラウンドのスキルが求められるからです。
例えば、施工図の作成です。建築施工管理ではCADオペさんが施工図を作成・管理しているので1から作図することはあまりありません。
一方、設備施工管理は1から施工図を作成するスキルが求められます。大きな現場であればCADオペは当然いますが、施工管理で施工図を作成することは一般的です。
設備施工管理は、建設施工管理に比べて分業化が進んでいないです。
施工管理はやめとけと言われるけどメリットもある


施工管理やめとけと言われるけどメリットもあります。

教えて下さい。
施工管理をやめない理由は給料が高いから
施工管理は一般企業より給料が高いです。
なぜなら、施工管理の仕事は誰にでもできる仕事ではないからです。
給料が高いため、施工管理の仕事は大変ですけど、やめずに頑張っている方は多いのではないでしょうか。
施工管理には、施工管理技士という国家資格があり実務経験がないと取得できないというハードルがあります。そのため、資格保有者は年収も高い傾向にあります。また、設備施工管理の給与水準はゼネコンと比べ遜色がありません。

僕も大手サブコンに勤めていましたが、大手ゼネコンより少し少ない程度でした。
ただ、残業代の割合も高く長時間労働だから高いという側面もあるので注意が必要です。
施工管理の給料は、一般企業の平均年収より高いのが施工管理の最大のメリットです。
施工管理の給料が高い理由については、こちらの記事で徹底解説しています。
圧倒的に成長できる
施工管理で働くと圧倒的に成長することができます。
理由は、人の倍の時間働く環境であることとポータブルスキルが身につくからです。
施工管理の場合、単純に労働時間が長いので人より多く仕事をこなすことができます。また、業務の中でスケジュール管理能力やマネジメント力など、一般的に必要な基礎スキルが身につくため、成長スピードが圧倒的に早いです。
すぐに成長できる環境であることは、施工管理のメリットの一つです。
施工管理の仕事をおすすめしたい人の特徴2選


施工管理の仕事をおすすめしたい人もいます。

教えて下さい。
手に職をつけたいと思っている人
手に職をつけたいと思っている人は、施工管理の仕事はおすすめです。
なぜなら、施工管理は技術職だからです。
施工管理の業務を通して、建築に関するさまざまな知識やスキルを身に着けることができます。
特に施工管理技士は、転職市場でも人気の高い資格です。施工管理技士が必要な求人は多いため需要があります。人手不足な業界なので取得できれば一生仕事には困らないでしょう。
手に職をつけたいと思っている人は、施工管理の仕事はおすすめです。
会社経営に興味がある人
意外に思われるかもしれませんが、会社経営などに興味がある人には強くオススメしたいです。
なぜなら、現場所長は小さな中小企業の社長のような仕事だからです。
現場所長は現場予算に対して大きな権限を持つことができます。施工業者の選定や発注、事務所の人材確保など現場をマネジメントする上で重要な決定権があります。

でも現場所長になるの、結構時間かかりません?

設備施工管理なら若くして現場所長になれます。僕は20代で、3億程度の現場所長を経験しました。
早く現場所長になりたい!という人や経営的な目線で仕事をしたいと思う人なら設備施工管理は非常におすすめの職種です。
施工管理に向いていない人の特徴3つ


施工管理に向いていない人もいます。

気になります。
施工管理に向いている人と向いていない人は、残念ながら存在します。向いていない人が施工管理の仕事をやっても、つらいだけでいいことはありません。
まず自分が施工管理に向いているのか把握しましょう。客観的にチェックする方法はこちらの記事で解説しています。
ライフワークバランスを重視する人
ライフワークバランスを重視したい人は、施工管理は間違いなくやめたほうがいいです。
理由は明確で、施工管理は長時間労働だからです。実際やめる人の多くはこの労働時間の長さを理由にしています。
やりがいは大切ですが、働く時間と休む時間のバランスは重要です。働き方改革が進んでいる状況とはいえ、劇的にライフワークバランスがよくなるとは考えにくいです。

僕もライフワークバランスを改善したくて転職を決断しました。
ライフワークバランスを求めるならやめておくのが無難です。
体育会系のノリが嫌いな人
体育会系のノリが嫌いな人も、施工管理はやめておいたほうがいいです。
なぜなら、建設現場はこの体育会系のノリが基本だからです。
職人さんも昔ながら人が多いですし、上下関係はもちろん飲み会や理不尽な指示は普通にあります。パワハラ、セクハラもまだまだ根強く残っています。

僕は上司から普通に蹴られたりしたこともあるし、罵詈雑言を受けたことも数多くありました。
もちろん全員そんな人ではないのですが一定数いるのは事実です。
体育会系の部活の経験があって、ある程度免疫がない方は人間関係で苦労するため向いていないです。
体力に自信がない人
体力に自信のない人も、施工管理はやめておいたほうが無難です。
体力がないとシンプルに長時間労働に耐えられません。
現場を一日中歩き回ったり、終電が終わってもまだ仕事が終わらず帰れない。なんてこともザラにあります。

僕は何度現場事務所に寝泊まりしたかわかりません。
逆にいうとある程度年齢をいってしまうと若手と同じように働くことはなかなか難しいです。
体力がない人やある程度の年齢の人は、向いていないのでやめておいたほうが無難です。
設備施工管理でもなるべくホワイトな企業を探すコツ


設備施工管理でホワイト企業を探すコツを教えます。

ぜひ教えて下さい!
なるべく大手企業を選ぶ
まずは大手を狙いましょう。
理由は言うまでもありませんが中小企業に比べ条件がよいです。
給与や福利厚生、労働環境などが整備されているのは間違いないです。また日常生活や転職時に発揮されるネームバリューも捨てがたい魅力の1つです。
設備施工管理は、ゼネコンほど競争が激しくないのでオススメしたいです。
働き方改革に取り組んでいるか確認する
働き方改革に関してどのような取り組みをしているかは、ホワイトな企業を探す上で非常に大切です。
なぜなら、建設業界の働き方改革は待ったなしだからです。
働き方の改善で残業時間を減らすことは法令遵守には必須です。何もしていない企業は、サービス残業の嵐になる可能性があります。

現段階で本気で取り組んでいない企業は、今後ブラック企業となる可能性が高いです。
しっかり取り組んでいる企業はホームページや口コミサイトでわかるので、必ず確認しておきましょう。施工管理でホワイト企業を探したい場合は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
長期的なキャリアプランをイメージしておく
設備施工管理で働きたいと思うなら、長期的なキャリアプランをイメージしておくべきです。
設備施工管理で長期的に働くメリットがある一方、それに有り余るデメリットがあります。
最大のデメリットは、体調を崩して働けなくなることです。健康面や精神面がやられてしまうと、そもそも働けなくなるので長期的なキャリアを考えるなかでリスクになります。

僕の実体験では、設備施工管理で一生食っていくと決めるのはリスクがある選択だと考えます。
そうでなくても建設業界に限らず終身雇用が無理と言われる時代です。柔軟なキャリアを歩むために、設備施工管理からどうキャリアアップするか考えておくことをおすすめします。
施工管理から転職する場合のおすすめ転職先に興味があれば、コチラの記事を参考にしてみて下さい。
施工管理は意外と楽?
たまに施工管理は意外と楽という方もいます。
実は施工管理でも完全ホワイトとはいかないですが、比較的ホワイトに働く方法があります。
ホワイトに働く方法は以下の通りです。
ホワイトで働く方法
- 派遣社員で働く
- 改修工事中心の施工会社で働く
派遣社員は、自分で立場や現場環境を選択でき派遣先に強制力がないため、未経験の方でもホワイトに働ける数少ない働き方です。
当然、給料面や教育面といった将来性の部分でデメリットはあるものの、ホワイトに働きたいといった方にはおすすめです。
改修工事中心の施工会社も、現場の収益性が高く、規模の新築に比べ小さいため比較的ホワイトに働けます。
詳しくはこちらの記事で解説しているので、興味があればご覧下さい。
どうしても施工管理の仕事がつらい時は無理をしないこと

施工管理は本当につらい職業です。
長時間労働ですし、休日も満足に取得できないこともあります。もし、体力的、精神的につらくなったときは、無理をしないようにしましょう。

僕は施工管理の仕事をがんばりすぎて倒れてしまった経験があります。
よく健康一番と言いますが、健康・精神状態がよくないとそもそも働くことができません。体を壊してからだと一生後悔します。
施工管理につらさを感じるようなら、絶対に無理をしないということは忘れないで下さい。
つらいときにやるべきことは、シンプルに環境を変えることです。詳しくはコチラの記事で解説しています。
まとめ

それではまとめです。
設備施工管理は手に職をつけたい、自分を成長させたい、経営に興味がある人にはおすすめできる仕事です。
一方、ライフワークバランスを整えたい、体育会系のノリは苦手、体力に自信がないといった方には不向きな仕事です。
設備施工管理に興味がある人は、自分が向いているか向いていないかを判断して、なるべく大手で、働き方改革に積極的に取り組んでいる企業を選びましょう。
長期的には、施工管理から次の転職先を考えておくことも重要ですので、頭の片隅に入れておいて下さい。
では、また。