いわん太さん。ファシリティマネジメントっていまいちよくわかりません。
具体例がないとわかりにくいよね。
- そもそもファシリティマネジメントってなに?
- ファシリティマネジメントの具体例について知りたい
- ファシリティマネジメントに興味あるけど、どうやったらなれるのか知りたい
ファシリティマネジメントって用語ではなんとなく理解したけど、具体的にどんな仕事があるのか知りたい方は多いのではないでしょうか。
僕は施工管理から転職して、建設・不動産業界では珍しくライフワークバランスよいFM(ファシリティマネージャー)という職種で働いています。
この記事はファシリティマネジメントという仕事について、実際の求人を例にどんな仕事しているのか、具体的にどうやったらなれるのか現役ファシリティマネージャーが解説します。
記事を読み終えるとファシリティマネージャーがどんな仕事をしているのか具体的にわかります。
ファシリティマネジメントの仕事は、発注者としてオフィスなどのファシリティをマネジメントする仕事が求人には多いです。
知っておけば有力な転職先候補になるかもしれませんので最後まで読んでみてください!
ファシリティマネジメントとは
そもそもファシリティマネジメントってなんなのか、よくわかっていません。
わかりにくいよね。範囲が広いので『IT』みたいな用語だと思って。
ファシリティマネジメントとは、ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)を経営的な視点(コストや環境、土地や建物などの活用法etc)でマネジメントする仕事です。
言葉が抽象的になってしまうのは色々な経営課題があるからです。経営課題といえばコストが一番に思いつきますが、コストにも色々種類があり会社ごとに重視しなければいけないポイントが違います。
例えば賃料を収益源にしている不動産会社であれば、所有物件の賃料増のためのマネジメントをしなければいけませんし、一般企業の所有する自社ビルであればなるべくコストを抑えたマネジメントが必要になるはずです。
コストだけに限らず様々な経営課題をファシリティの側面から解決していく。そんな仕事がファシリティマネジメントだと僕は考えます。
かなりふわっとしていてわかりくいので、次の具体例を見ながら解説していきますので安心してください。
その他、用語、定義として知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
ファシリティマネジメントの仕事内容と具体例
仕事内容を具体的に教えて下さい!
実際の求人例を使って解説します。
ではファシリティマネジメントってどんな仕事内容なのか?実際の求人を例に具体的に説明します。
知っておくべき大前提
まず大前提として、2つ押さえておきましょう。
現在のファシリティマネジメント市場においてニーズがあるのは『オフィス』のファシリティマネジメントです。工場、データセンターなども見かけますがどちらかというとプロパティマネジメントに近い求人が多い印象ですかね。
のちほど解説しますが、働き方改革をしたい企業が既存オフィスを見直していることが要因です。
企業側がファシリティマネジメントをしたい!となった時、その人材を雇う場合主に2パターンになります。
【インハウス】
企業内の社員が担当するパターンです。本業の社員ではなく、総務部の専門職社員として業務を担当することが多いです。僕もインハウスとしてファシリティマネジメント業務を担当しています。
【アウトソーシング】
いわゆる外部委託です。プロジェクト単体のみお願いしたい場合や専門職を雇うほどの規模ではない場合、逆に規模が大きすぎてインハウスだけでは手が回らないときなど外部へ業務委託契約することが多いです。
求人からみる具体例
それでは具体例です。
実際の求人内容から抜粋しました。会社名は当然伏せます。詳しく知りたい場合、転職エージェントに登録して調べてみましょう。
【仕事内容】
不動産(本店、支店、厚生施設等)の新築・移転・改修・レイアウト変更工事にかかるファシリティマネジメント業務
【具体例】
・工事に関する仕様等の企画、推進
・環境負荷軽減に関する企画、推進
・プロジェクトの予算およびスケジュールの企画、推進
・建物の保守管理全般の企画、計画、業者選定、管理
・不動産の取得、処分、建替、賃貸借に関する企画、計画、推進
・海外における建替、賃貸借に関する業務支援 等
【年収】
500万円~800万円
新築・移転・改修・レイアウト変更工事がメインの業務になります。その他、保守管理、不動産契約管理、環境負荷軽減、社内プロジェクトなどさまざまあります。全て1人担当するというより分業されていることが多いです。
規模が大きな企業であれば、保守管理などプロパティマネジメントの領域はアウトソーシングしているケースもあります。
【仕事内容】
オフィス環境を中心としたファシリティマネジメント業務
【具体例】
・クライアントを複数社担当
・オフィスを中心とした理想的なワークプレイスの企画立案&修正
・デザイナーや施工業者などを初めとした外部業者の選定や交渉
・プロジェクト全体の工程作成や、監理
・引き渡し後の施設管理に向けたFM戦略の計画立案&修正
・施設の維持管理に向けた業者選定、プロジェクト全体のディレクション
【年収】
700万円~1000万円
オフィス移転、改修、レイアウト変更の部分に特化したいわゆるプロジェクトマネージャーの業務を請け負う仕事です。
ワークプレイスのあり方も見直すことに特化しており、設計事務所、内装工事業者、什器メーカー、コンサルタントなどさまざまな会社を担当しています。
【仕事内容】
クライアントの本社にて常駐し施設管理のファシリティマネジメント業務
【具体的】
・設備管理、受付、清掃、ベンダーのマネジメント、データの監理、セキュリティ機器の保守メンテナンス等
・予算策定、提案、請求書処理、備品や文具などの購入管理(在庫チェック、発注等)
・空調管理、オーナーとの折衝業務、事務機器のリーシング業務
・ヘルプデスク(社員からのファシリティ関連問い合わせ対応)
・修繕対応(現場調査、修繕内容の検討、見積もり取得、交渉、クライアントへの提案、発注手続きなど)
【年収】
500万円~900万円
総務部でやるような日々の設備管理などの仕事を業務委託を受けて行う業務です。
地味な仕事ですが規模の大きな企業であれば必ず必要な仕事です。オフィスの移転などではなくどちらかと言えば淡々とこなせる、マニュアル化させた仕事をこなすイメージです。
ファシリティマネジメント協会受賞企業の具体例
オフィスに需要があるのはなんとなくわかりました。
最近の事例をファシリティマネジメント協会から受賞受けている企業で紹介します。
参考2022年のファシリティマネジメント協会から受賞受けている企業の事例を紹介します。
詳細は協会のホームページを参照下さい。
優秀ファシリティマネジメント賞: 株式会社 リクルート
( 築60年のビンテージビルに新しいオフィスのスタンダードを創る )
既存の本社オフィスに近隣の7拠点を築60年のビルに統合。テレワークを中心とした働き方改革に沿ったオフィスづくりを目指し、ウェルビーイング、ABW、タッチレス、環境負荷や地域社会への貢献と4つの軸で築60年のビルの改修を行った事例。年間賃料60%の削減に成功し、本工事の原資としている。
優秀ファシリティマネジメント賞: 富士通 株式会社
( ニューノーマルにおける BorderlessOffice の推進 )
テレワークを中心とした新しい働き方改革の実現のためにBorderless Officeを計画。ハブ、サテライト、ホーム&シェアードなど新しいオフィスを短期間で開設。川崎の新オフィスはABWやDX化とデジタルツールを駆使し実証実験・ショーケースとして行った事例。賃借コスト30%削減、動力・清掃費50%削減に成功し、本工事の原資としている。
これらのキーポイントなるのは以下の通りです。
①働き方改革の推進
・社員満足度の向上
・ウェルビーイング(持続的な幸福)の向上
・生産性の向上
②オフィスのあり方を再定義
・テレワークを主体としたオフィス(本社機能の集約やハブ&サテライトなど)
・ABW(社員が自律的に業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択するという働き方)
・ICT、DXの活用
③実施費用は賃料等の維持管理費削減で回収
こんな事例が今後の主流になるのではないでしょうか。
従業員の働き方の向上を目的としたオフィス作りを不動産や建築の知識を活用して行う仕事がファシリティマネジメントの仕事の一つと言えるでしょう。。
ファシリティマネージャーになる方法
なんか興味出てきました!どうなったらなれるんですか?
施工管理出身の方に特にオススメです。
発注者は狭き門
まず、ファシリティマネジメントは発注者の仕事です。インハウスの場合特に狭き門と言わざる得ません。
なぜなら、建物を所有していたり、いくつもテナントなど所有し活用する企業は限られているからです。特に大企業が多いので必然的に採用される基準も上がります。
僕の場合、今いる会社で定年退職の方が一人出てその人の代わりで入社した経緯があります。
随時募集している訳ではなく必要に応じて必要な人員を採用することが多い業種なのでタイミング的にも狭き門と言えるでしょう。戦略的に転職活動をすることは必須です。
施工管理経験は強い武器
現場経験は強い武器になります。
なぜなら、プロジェクトを進めるマネジメント能力は施工管理の仕事と似ているからです。
工程表の作成や業者間の調整、発注するタイミングなど、施工管理で身に着けたことをそのまま生かすことができます。
施工管理出身者にも多く在籍しており、経験を強みにできる職種といえるでしょう。
資格の保有
建築系の資格は必須です。
なぜなら、建築的な知識がないと仕事にならないからです。
1級建築士、1級施工管理技士など実務経験がないと取れないような資格が応募要件になっている企業も多いです。
また、ファシリティマネジメントに特化した認定ファシリティマネージャーという資格もあります。こちらも必須ではないけど、歓迎になっていることが多いです。
なので資格を保有していない場合、まずは資格取得を目指すのがよいでしょう。こちらの記事を参考にしてみて下さい。
非公開条件のある転職エージェントを利用
実際に企業を探す場合は転職エージェントを利用することがオススメです。
なぜなら、ファシリティマネジメントの求人は非公開が多いからです。また、誰でも求人を募集しているというよりかピンポイントで即戦力を採用したいためエージェントにお願いしている企業が多い印象です。
僕も転職エージェントを利用して転職しました。
ハイクラスのファシリティマネージャーを目指すなら転職エージェントの登録は必須です。必ず登録しておきましょう。
まとめ
それではまとめです。
・ファシリティマネジメントは、ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)を経営的な視点(コストや環境、土地や建物などの活用法etc)でマネジメントする仕事。
・ファシリティマネジメントの求人はオフィスに需要あり。
・働き方改革の推進したい企業がオフィスのあり方を再定義する仕事が評価されている。
・ファシリティマネジメントは狭き門だけど、施工管理経験者にぴったり。転職エージェントとスカウト型転職サイトを利用しよう。
ファシリティマネジメントの仕事を具体的に解説しました。
オフィスを変えたいという需要が高まってきており、その担い手がファシリティマネージャーです。このコロナという環境をガラッと変わったタイミングで需要が高まっており転職するチャンスです。
少しでも興味があれば、まずはスカウト型転職サイトに登録してみて情報収集してみることをオススメします。スカウトを待つだけなので、時間がない人も気軽に利用できます。
では、また。
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