いわん太さん。施工管理ってやっぱブラックなんですか?
一般的にはそういわれるよね。
- 施工管理がブラックって本当?
- うちの会社ブラックっぽいなんだけど客観的に知りたい
- 施工管理ってホワイトなところあるのか?
施工管理は激務でブラックな業界として有名ですけど、ブラックの基準は人それぞれで曖昧だったりします。
僕はFラン大卒のブラックな建設業から異業種の大手ホワイト企業に転職を成功させました。
この記事はブラック企業大賞の指標11つを基準にして、ブラック企業の定義や施工管理がブラックな理由、ブラックか判断するチェックする方法、ホワイト企業はあるのかまで徹底解説します。
記事を読み終えると、今の会社がブラックなのか客観的にわかります。
施工管理は激務&長時間労働のため、限りなくブラックに近いグレーな職種です。
簡単にチェックできるのでぜひ試してみて下さい。
ブラック企業の定義
そもそもブラック企業ってどんな基準なんですか?
明確な基準はないのでブラック企業大賞の指標で解説します。
ブラック企業大賞とは
ブラック企業大賞とは、従業員に対し長時間労働やサービス残業、パワハラ、偽装請負、派遣差別などが問題視される企業をきめる企画のことです。
ブラック企業大賞では【ブラック企業とは】【ブラック企業を見極める指標】を以下の通り定めています。
【ブラック企業とは】
①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業
②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)
ブラック企業の定義
本記事ではブラック企業とは、次の条件に複数該当すると定義します。
【ブラック企業を見極める指標】
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
※ただし多くのブラック企業が上記の問題を複合的に持っているので、判断する際も総合的に判断する。
ブラック企業大賞引用
大きく分けて4つのカテゴリーに分類しましたので詳しく解説します。
ブラック企業の4要件
まずはブラック企業の4要件について解説します。
お願いします!
1.労働時間
- 長時間労働
- 長時間過密労働
ブラック企業の代名詞と言えば「長時間労働」です。
ブラック扱いされる最大の原因は、過労で死んでしまう可能性があるからです。
具体的な残業時間ですが、一般的な労働基準法の残業時間の上限は「1ヶ月45時間、1年間360時間」です。建設業は特例となっていますが、2024年からは適用されます。
特例でも以下の基準が適用されます。
・時間外労働は年720時間以内
・時間外労働(休日労働含む)の合計が月100時間未満
・時間外労働(休日労働含む)は、2ヶ月平均、3ヶ月平均、4ヶ月平均、5ヶ月平均、6ヶ月平均が全て1ヶ月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間以上は年6ヶ月が限度
これらの条件をクリアしないと長時間労働扱いになります。
2.給与
- 低賃金
- 残業代未払い(求人票でウソ)
給料が極端に低かったり、サービス残業が状態化しているのもブラック企業あるあるです。
なぜなら、人材に投資する気がないからです。
固定給が低く、昇格しない、残業代が全て支払われていないなどはブラックになります。
給与面で不当な扱いを受けているようであれば要注意です。
3.モラル
- セクハラ・パワハラ
- いじめ
- 派遣差別
人格や人権を否定されるような行為が横行しているのもブラック企業の特徴です。
なぜブラックかというとメンタルを破壊する可能性があるからです。
代表的なものは、パワハラやセクハラですが、モラハラやアルハラなどハラスメントに加え、いじめ、派遣など立場による差別など、人間関係を構築する上で完全にNGな行動です。
人としてもモラルは、様々なことに多大な影響を及ぼすので会社として何も対応していないようだとブラック企業の仲間入りです。
4.法令・制度
- コンプライアンス違反
- 育休・産休などの制度の不備
- 労組への敵対度
- 派遣依存度
法令や社内制度を遵守していない企業もブラック企業の特徴です。
基本的で最も重要なポイントを順守してない企業は、社員や顧客と信用信頼関係を築く気がないと同意語です。
社員を大切に思えば、育休や産休、有給などの制度はしっかり利用してもらいたいと思うし、法令に関しては法令違反した場合のリスクが高すぎるので絶対に遵守するはず。
法令遵守や社内制度が機能していることは現代社会では基本中の基本なので、機能していない場合ブラックの可能性が高いです。
施工管理は本当にブラックなのか検証してみる
次にブラック企業の基準と施工管理の現状について比較してみます。
かなりブラックに近いと思います。
1.施工管理は長時間労働が当たり前
業種や企業によって違いはありますが、一般的に長時間労働が当たり前と言われる施工管理の労働時間はブラック企業並みの水準です。
大きな要因は残業ありきの働き方なところです。
新築の工事現場のケースだと、現場が稼働している8:00〜17:00は職人さんへの指示出しなどで終わることが一般的です。現場が終わってから図面の作成や工程打ち合わせ、書類作成、原価管理など行うのが基本のスケジュールになります。
特にマンションなどは顕著ですが、規模にもよりますが全体工期が短く設定される傾向があり非常に大変です。無理やり完成までもっていくために施工管理ががんばるしかありません。DXの導入で効率化なんてのもまだまだ先の話ですしなかなか改善されないのが事実です。
僕は今のホワイト企業に行くまでお盆休みと祝日の概念がありませんでした。基本休みは日曜のみです。
今思うとありえないのですが、施工管理では普通だったりします。
2.施工管理の給与は高水準だがサービス残業込み
年収ベースでは全業種と比較すると良いのではないでしょうか。
専門職で誰でもできる仕事ではなく資格によって資格給なども期待できます。
ただし、金額の内訳で残業代の比率は高くなるので一見すると高く見えますが時給換算すると…一度計算したことない人はしてみて下さい。僕の場合は、近くにあったマックのバイトの時給より安かったです。
給料の低い企業の場合は話が少し違います。給料がいいのが施工管理の唯一いい点なのに、給料が低ければ募集かけてもなかなか人を採用できません。
当然離職率にも影響してきますし、施行管理が全て給料がよいかといったらそんなこともありませんので注意が必要です。
3.施工管理はハラスメントがまだまだ多い業種
施工管理ではまだまだハラスメントが多い業種です。
おそらくハラスメントが多い理由は、課長などの人事面を評価する責任者や第三者の目が届きにくいからだと考えます。
なぜそう思うかというと、僕が他業界を経験してわかったことです。
一般的な会社であればハラスメントが発生すれば、人事面を評価する責任者や第三者がいて注意やホットラインに通報することができるのですが、現場事務所では現場管理をする現場所長しかいません。
人事を評価する管理者や第三者が日々現場事務所を管理する体制となっていないため、ハラスメントが起きやすい環境になると推測できます。
4.建設会社のコンプライアンス意識は企業による
建設業界のコンプライアンス順守レベルは企業によって大きく異なります。
なぜなら、一昔前の建設業界は違法なことが横行しており、その慣習から抜け出せていない企業も一定数存在しているからです。
談合や手抜き工事、構造設計データ改善、担当による下請け業者への水増し発注など挙げればきりがありません。
昔に比べて改善されてはいますが、まだまだ根強く残っているのが建設業界です。
施工管理が激務である理由4選
次に施工管理特有の激務の理由を解説します。
ホントきついんですよね。
1.施工管理の仕事環境が激務すぎる
施工管理は労働環境がきつくて有名です。いわゆる3K(汚い・きつい・危険)で、安全第一の建設現場ですが事故が起き、現場で亡くなる事例は今でも存在する厳しい環境です。
- 夏は暑く冬は寒い
- 現場は死に直結する危険がいっぱい
- 基本、作業着で汚れている
- 肉体労働による体臭
- トイレ等が衛生面が汚い
挙げればきりがありませんが、お世辞にも働く条件としてよい環境とはいえません。
また、最近の主流であるリモートワークも現場管理では実現していないです。
次はほんの一例になりますが、各職種の激務な事例を紹介します。
業種によって特徴がありますよね。
2.内装施工管理の激務な事例
内装施工管理は夏場地獄です。
なぜなら、室内に空調が効いていないことが多いからです。
ほんと蒸し風呂状態で、かなりきつい環境であることは間違いないです。
3.ハウスメーカー施工管理が激務な理由
ハウスメーカーの施工管理は、BtoCいわゆる一般ユーザーと相手をすることが多いので激務です。
現場のことは何もわからないので言いたい放題のお客も多いですし、お金を出している立場なので当然権限もあります。
近隣のクレーム対応も泥沼にはまるとかなりのストレスになります。
4.職人さんはブラックすぎる
番外編ですが、職人さんの職場環境は本当に大変です。
たまに施工管理から職人になる人がいるのですが、現場作業の大変さにすぐ辞めてしまうことも多いです。
現場経験のある方であれば想像するに難くないですが本当に大変な仕事です。
人手不足になってしまうのも納得です。
今いる建設会社がブラック企業なのか判断する方法
全部ではないにしろ当てはまるのはあるな。
それでは今の会社がブラックなのかチェックしてみましょう。10項目10点の100点満点です。
1.労働時間のチェック項目
2.給与のチェック項目
3.モラルのチェック項目
4.法令・制度のチェック項目
5.派遣に対するチェック項目
チェック結果
それでは、結果になります。
グレーだった!施工管理はきついけどブラックではないみたい。
このチェック項目はブラック企業大賞の基準をもとに僕が独断で重みづけしたものでブラック企業大賞のオフシャルの点数ではないのでご了承ください。
僕が経験した会社に当てはめてみると、施工管理時代(55点)と現職(0点)でした。特に①〜⑤で高得点を叩き出しています!
施工管理にホワイト企業は存在するのか
求人でホワイトなのを見るけど本当なんですか?
本当かもしれないけど確率は低いよね。
ホワイト企業の定義
ホワイト企業の定義は以下の項目を満たしている企業になります。
①離職率が15%以下(日本の平均と同水準)
②残業時間が月20時間以下(1日1時間程度、最低でも30時間)
③平均勤続年数が20年以上
④有給休暇取得率が80%以上(平均50%)
⑤給与が540万円以上(日本の男性平均)
⑥明確な評価制度がある
⑦福利厚生、女性に優しい制度の充実
⑧法令遵守(サービス残業などは×)
⑨年齢層に偏りがない
⑩ダイバーシティ&インクルージョン(性別や国籍、職歴、価値観などに関わらず個人を尊重する)
施工管理をしているとこんな会社存在しないと思うかもしれませんが、僕の現職はほぼ満たせているので信じられないかもしれませんが実在します。
施工管理にホワイト企業は存在するのか
本題ですが施工管理でホワイト企業は皆無といっていいでしょう。
なぜなら、施工管理でホワイト企業の基準である月の残業時間が20時間以下を切るのは現実的に厳しいからです。
1日1時間でも月20時間です。朝礼だけでも30分くらい時間外労働していませんか?大手ゼネコンは働き方改革の推進に積極的ですが、月20時間を達成するのは難しいでしょう。
残業ありきの働き方だと建築関係でホワイトな職場は皆無でしょう。
施工管理でホワイト企業が存在するか知り方は別の記事で解説しています。
施工管理を辞めたい人のチェック項目
施工管理を辞めたくなってきました!
本当にやめていいのか4パターンで確認します。
すぐ辞めたほうがいい人の特徴
- 健康面、体力面で限界
- メンタルが崩壊寸前
- 仕事に行くのが憂鬱
上記に当てはまる場合はすぐに施工管理を辞めたほうがいいです。
なぜなら、遅かれ早かれやめることになるからです。
体調崩したりメンタル崩壊したら復活するにも時間がかかるので早く辞めたほうがいいです。
僕も働きすぎて体調を崩したことがきっかけで施工管理を辞めました。
辞めるならすぐ辞めたほうがいいです。
辞める準備したほうがいい人
- 普通の生活がしたい
- プライベートを充実させたい
- 家庭をもっと大切にしたい
- 結婚したい
もし上記に当てはまるなら辞める準備を始めましょう。
うすうす気づいていると思いますが、施工管理で一般的なサラリーマンの生活を送るのは難しいです。
結婚生活も上手くいかなくなる人も多いですし、何より仕事以外の時間が無さすぎます。
キャリアについてステップアップを目指すなら資格取得などは必須です。ライフワークバランスを大切にしたいなら、勉強や知識の取得を始めて転職に生かせるよう準備を始めましょう。
まだ辞めないほうがいい人
- 実務経験の期間が短い
- 施工管理の基礎スキルや実績を身に着けていない
せっかく施工管理を経験したのに何の技術も身に付けずにやめるのはもったいないです。
ただ辞めるだけだと何も残らない状況となってしまうので、3年の実務経験や1級施工管理技士を取得するくらいまでは辞めないほうが無難です。
ただし、建設業界に未練なしって場合は損切りですぐ辞めちゃってもOKです。上司ガチャ、現場ガチャでハズレを引いた可能性もあります。
特に若手の場合は第二新卒であれば採用されやすいので、未経験な業種にチャレンジするほうがメリットあると思うなら早めに見切りをつけて就職先を探しましょう。
施工管理を辞めてよかったこと
施工管理を辞めてよかったと思うことはたくさんあります。
中でも一番よかったと思うことは、ワークライフバランスがよくなったことです。
家族や友人との時間、旅行などの長期休暇などをイメージしてみて下さい。諦めていた日常が施工管理を辞めると現実になります。
僕の人生も施工管理を辞めてから180度変わりました。最初は転職することに不安はあるかもしれませんが、今後を考えると考えるべき選択肢です。
施工管理を辞めて時間に余裕のある生活を経験すると施工管理にはもう戻れません。
施工管理に疲れて転職する場合に知っておくべきこと4選
実際転職となったら何をすればいいかわかりません。
知っておくべきことはあります。
1.仕事環境を変えるのは当たり前の選択肢
まずは仕事環境を変えることは当たり前の選択肢だと心の底から理解しましょう。
なぜ理解する必要があるかというと、今の職場からいなくなることに対して後ろめたい気持ちになってしまうからです。
転職することは逃げなんじゃないか。みんなできているのに自分ができないのは能力がないのではないか。
などと思う必要は全くありません。
有名なマーケターでUSJを再生させた盛岡毅さんですら、環境を変えて救われた話をされています。
仕事環境を変えるのは当たり前の選択肢と認識しましょう。
2.失敗しない転職活動
次に知るべきことは転職の軸を決めてから転職活動をするということです。
なぜなら、軸を決めておかないといい転職先を見つけることができないからです。
ワークライフバランスを求めている人が成長を求めIT業界に行くみたいな話で、IT業界も建設業界と同じくらい人手不足なので間違いなく忙しい業種です。
ワークライフワークバランスを転職の軸においていればこんな失敗はしません。
失敗しない転職方法は転職の軸を決めることです。
3.おすすめは発注者
施工管理から転職する場合のおすすめは発注者です。
なぜなら、ワークライフバランスがよく、裁量権があり、給与もそこそこいいからです。
建設業の上流側の仕事なので自由度が高く、建物を作るという意味でもやりがいも持てる仕事です。
中でもファシリティマネジメント、ディベロッパー、公務員の3つあたりが特におすすめです。最初から就ける仕事でもなく施工管理や設計の経験がないと入社できない企業ばかりなので、安定感や待遇面はかなり良いです。
施工管理からの転職は発注者がおすすめです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
4.最短で転職したいなら転職エージェントを利用
転職する方法はいくつもありますが、最短で転職したいなら転職エージェントを利用しましょう。
なぜなら、無料で登録でき転職に関するあらゆる支援をしてくれるからです。電話やWebでも面談も可能ですし、隙間時間を使って利用することも可能です。
まだ具体的に希望する企業が決まっていなくても条件を提示すれば、マッチする企業を紹介してくれます。
まとめ
それではまとめです。
- ブラック企業の4要件は大きく分けて、①労働時間、②給与、③モラル、④法令・制度があり、施工管理は①~④いずれも該当しやすい業種である。
- 施工管理で月20時間以内は大手ゼネコンでも無理なので、ホワイト企業は皆無だと言える。
施工管理は客観的に見てもブラック要素が強い業種であることが改めてわかりました。
キャリアは自分で考えて作っていくものだからどんな選択をしても間違っていません。
ただ自分の体調やメンタルを崩してまでやる仕事は施工管理に限らずダメな選択なので悩んでいるなら転職を検討しましょう。
環境を変えると僕みたいに人生好転するかもしれませんよ。
では、また。
クローズな環境で質問したい方は、こちら。
いわん太に無料キャリア相談!
・転職や今後のキャリアに関する相談相手がほしい。
・発注者の働き方について興味がある。
・地方なので、よい求人がなくて困っている。
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