施工管理って意外と楽って本当ですか?
鵜呑みにするのは危険だけど、比較的楽な職種はあるよ。
- たまに施工管理は意外と楽って聞くけど本当?
- 施工管理でもホワイトに働きたい。
- 建設業界以外で楽な仕事も知りたい。
施工管理はきつい仕事で有名ですが、意外と楽と言われることもあります。施工管理でもホワイトに働けるのか気になりますよね。
僕はサブコン施工管理を8年経験し、現在はファシリティマネージャーという職種でホワイトに働いています。
本記事では、施工管理に楽な仕事は本当にあるのか、建設業界や不動産業界で楽な仕事を5つ紹介します。
この記事を読めば、施工管理でも比較的楽な職種を探すための考え方がわかります。
施工管理の忙しさは、立場や現場の状況によって変わるため自分で忙しさをコントロールすることが難しいです。そのため、なるべく外的要因が少ない環境で働くことが重要です。
建設業界の経験を生かしつつホワイトに働ける他業界の仕事も紹介します。ぜひ最後まで読んで見て下さい。
施工管理が意外と楽という考え方は危険
施工管理って意外と楽なんですか?
正直、かなり少数派の意見だと思う。
施工管理で比較的楽と言われる仕事は存在しますが、かなり危険と言わざる得ません。
これから危険である理由を詳しく解説します。
施工管理の忙しさは立場や現場の状況によって変わるため、楽と考えるのは危険
施工管理の忙しさは、自分の立場や現場の状況によって大きく変わるため、意外と楽と考えるのは危険です。
そもそも、施工管理が楽とはどんな状況でしょうか。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、楽な仕事とは仕事量が少ない仕事です。つまり仕事量が多いから施工管理は忙しいのです。
施工管理の忙しさは、下記の5つに因数分解できます。
忙しさの根本的な要因
- 立場 :正社員、派遣の違いや現場内の役職によって業務量が大きく異なる
- 規模 :規模が大きいほど難易度が高く仕事量が多い
- 収益性:収益性が低い現場だと人件費が抑えられ一人当たりの業務量が増える
- 現場数:担当する現場数が多いほど仕事量が多い
- 時期 :閑散期と繁忙期がある
5つの要因からわかる通り、施工管理の忙しさは自分の立場や現場の状況によって大きく変わります。
自分の立場や現場の規模や収益性、現場数、時期は、自分でコントロールすることができないため、自分のスキルとは関係ない要素で忙しくなる可能性が高いです。
意外と楽に思っている人は、たまたま上記の条件が整っているだけの可能性があります。
意外と楽と思っている人
- 新人や派遣の立場で責任ある業務をしていない人
- 小規模工事しか経験していない人
- 人手が多くいる現場に配属になった人
- 担当現場が少ない人
- 閑散期のみのことを言っている人
施工管理の忙しさは、自分の立場や現場の状況が変わるだけで大きく変化するので、安易に信用するのは危険です。
その他の施工管理がきつい、つらいといわれる理由はこちらの記事で解説しています。
建設業界は未だに労働基準法の特例扱いを受けている業界
建設業界は、労働基準法の特例を受けている業界であることはご存じでしょうか。
2019年4月の労働基準法の法改正により、労働時間の上限が規制されました。
原則、年360時間・月45時間を遵守、臨時的な特別の事情がある場合は下記の要件を満たすことが義務化されました。
内容は以下の通りです。
臨時的な特別の事情
- 時間外労働が720 時間以内 (月平均 60 時間)
- 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計が「2~6ヵ月平均」全てにおいて1ヵ月あたり80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超過するのは年6回まで
一般企業は2019年から施行されていますが、建設業界は長時間労働が状態化していることから、5年間の猶予期間を設けらています。
そのため、一般社団法人日本建設業連合会が、2024年までに一般企業並みの残業時間になるよう会員向けの自主規制という形でガイドラインを発表しました。
日本建設業連合会が発表している勤務時間の目標数値は、2021年は960 時間以内 (月平均 80 時間)、2022年は840 時間以内 (月平均 70 時間)です。
上記の時間は休日出勤の時間が含まれての数字です。週休2日もまだ浸透してない建設業は、まだまだ道半ばといったところでしょうか。
建設業界は、土日にしっかり休むことすら普通ではない業界です。この業界で働くのに、意外と楽といえる企業は少数派だといえるでしょう。
施工管理はつらいだけ?働くメリットもある
施工管理ってつらいだけの仕事なんですか?
働くメリットはあります。
施工管理は年収が高い
施工管理最大のメリットは、年収が高いことです。
年収が高い理由はいくつもありますが、単純に長時間労働で残業代が多くもらえるからです。
長時間労働も残業代がしっかり支給される会社であれば悪いことばかりではありません。その他にも現場手当や資格給など施工管理ならではの給与体系があり、他業界に比べ高収入です。
施工管理のメリットは年収が高いことです。
施工管理で資格を取得すれば食いっぱぐれることはない
施工管理は、資格を取得できれば食いっぱぐれることはない業種と言われています。
なぜなら、建設業界は慢性的な人手不足だからです。
国家資格である1級施工管理技士を取得すれば、現場代理人になることができるため転職市場でも価値が高いです。
施工管理で1級施工管理技士を取得できれば、食いっぱぐれがないことが施工管理で働くメリットです。
施工管理はこれから早く帰ることを求められる
施工管理はこれから早く帰ることが求められるようになります。
理由は労働基準法の猶予期間が終わり、2024年から労働時間に上限が設けられるからです。
先ほど説明した通り、建設業の労働時間短縮は業界全体の必須事項になります。そのため、以前に比べ早く帰ることがより求められます。
1日の終わりに事務所でやらなければいけない書類整理やメールチェックなどは、どんどん簡素化・自動化されていくでしょう。
今後、働き方改革が進み一般企業並みの残業時間になる可能性は十分にあります。
施工管理が将来なくなる可能性は低い
施工管理が将来なくなる可能性はまだまだ低いです。
なぜなら、ロボットやAIに代替されるにはまだまだ時間が必要だからです。
施工管理に変わるロボットを導入するには莫大なコストがかかるため、すぐには実現しないでしょう。
施工管理は将来なくなる可能性が低く、リストラなどの心配がないので安心して働くことができます。
施工管理でホワイトに働く方法はある
施工管理でもホワイトに働けますか?
メリット、デメリットあるけど、ホワイトに働く方法はあります。
施工管理でホワイト企業ってあるのか気になりますよね。実際、意外と楽といっている人もいるので0ということはありませんが、限りなく少ないのが現状です。
その中でも次に紹介する2種であれば、比較的ホワイトに働ける可能性が高まります。
実際ホワイト企業が存在するのか詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
施工管理の派遣社員はホワイトに働ける職種の一つ
施工管理でホワイトに働きたい場合、派遣社員で働くことは選択肢の一つです。
なぜなら、働く立場や現場を選択できるため、自由に働きたいといった要望にマッチするからです。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 働く立場や現場を選択できる
- 労働者派遣法で働く環境が保証される
- 所長のお気に入りになれば好待遇の可能性も
デメリット
- 給料は正社員より低い
- 長期的なキャリア形成には向いていない
- 研修などの教育制度が充実していない
派遣社員は、自分が得意な仕事に限定して働くこともできますし、普通では働けないような大手ゼネコンの現場で働くこともできます。また、法律で派遣元が契約外の業務を強いることは禁止されているため、自分の時間を確保しやすくホワイトに働ける環境です。
一方、正社員に比べ立場が低いため、給与や社員教育、キャリアに関する会社からの支援などはあまり期待できません。
デメリットである給与面などは、副業などでカバーするといった柔軟な働き方が可能です。
施工管理でホワイトに働き、副業にもチャレンジしてみたい人などは派遣社員ではおすすめです。
改修工事が中心の建設会社は収益性が高い
改修工事が中心の建設会社も、比較的ホワイトに働くことが可能です。
一番の理由は、現場規模が新築に比べ小さく収益性が高い現場が多いため、人的資本を投入しやすいからです。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 収益性が高い現場が多い
- 新築に比べ現場規模が小さい
- 閑散期と繁忙期の波がない
デメリット
- 夜間、休日工事が多い
- 常に改修工事を担当できるかは不明
- 新築工事を経験できない
改修工事が中心の施工管理は、工事規模が小さく、現場稼働時間や施工範囲が限定的です。そのため、新築に比べ繁忙期と閑散期の波がなく、比較的ホワイトに働くことができます。
ただし、常に改修工事に携われるかはわかりませんし、土日や夜間工事が多いことは事実としてありますし、大きなデメリットといえます。
新築の施工管理経験者にとっては、工事内容なども限定されるので比較的にホワイトに働ける職種になるのでおすすめです。
施工管理でホワイト企業を見つける方法
ホワイト求人を探すなら、建設業に強い転職エージェントを利用して情報収集から始めましょう。
すぐ転職しなくても、ホワイト企業で働ける可能性があるのかエージェントと話してみることで、自分の立ち位置を知ることができます。
転職エージェントは、無料で利用できますし、誰でもみれる転職サイトなどにはない優良の非公開求人も紹介してもらえます。
僕も転職エージェントを利用して、定期的に自分のキャリアについて相談しています。
2024年は、建設業が大きく変わるタイミングになります。
情弱は、搾取されるだけなので、アンテナを張っておくことが大切です。
建設・設備求人データベースは、東証プライム上場の㈱クイックが運営する特化型転職エージェントで建設業内でキャリア相談・情報収集するなら、間違いないです。
施工管理は楽しい仕事?8年働いた体験談
僕が施工管理で8年働いた体験談も話しておきます。
気になります。
施工管理が楽しいのは裁量権を持って仕事ができるところ
施工管理が楽しいと感じるのは、裁量権を持って仕事ができるところだと思っています。
なぜなら、裁量権を持って仕事することは、仕事の満足度に大きく影響するからです。
施工管理は、現場で多くの決断をしながら進めなければいけない仕事です。基本的な知識や技術力を身に着け、職人さんとの調整も安定して対応できるくらいの能力が身につけば、楽しさを感じて仕事をすることができるようになります。
施工管理が楽しいと感じるのは、裁量権を持って仕事ができる時です。
自分は施工管理に向いてない人と悟った瞬間
施工管理に向いていないなと感じた瞬間がありました。
僕の場合は、現場が竣工してもたいして感動しなかったことです。
施工管理のやりがいと言えば、建物が竣工したときの達成感と言われますが、僕の場合は一切感じませんでした。
感じたことは、やっと終わったという解放感だけでした。
この瞬間、自分は施工管理に向いていない人間だと悟りました。
自分が施工管理に向いているかどうかは重要なポイントです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
施工管理を辞めてよかったことは多い
施工管理を辞めてよかったことは本当に多いです。
具体的には以下の5つです。
施工管理を辞めてよかったこと
- ワークライフバランスがよくなった
- 残業時間が短くなった
- 体調がよくなった
- 仕事が楽しくなった
- 労働環境がよくなった
施工管理は成長できる環境ではあるものの、デメリットも多い仕事だと感じました。
施工管理から現在のファシリティマネージャーに転職して本当に良かったと思っています。
もし、施工管理の仕事をしたいと思うなら相当な覚悟を持って働くことをおすすめします。生半可な気持ちだと務まりません。
辞めてよかったことの詳細は、こちらの記事を読んで見て下さい。
施工管理未経験なら若手以外はやめとけ
施工管理はやめとけとよく言われますが、個人的に20代の若手ならやる価値はあると思っています。
なぜなら、何者でもない自分が急成長できる環境だからです。
僕もきつい経験をしましたが、8年施工管理をやっていたから今があると心の底から思っています。
ただし、若手以外だとかなり大変なのでおすすめできないのが本音です。
体力面はもちろん、ある程度年齢だと初心者扱いされることはほとんどなく、できないやつの烙印を押される可能性が高いです。
施工管理未経験なら違う職種で働いたほうが無難です。
施工管理は辞めとけと言われる理由については、こちらの記事で解説しています。
建築業界より楽な仕事は不動産管理系の仕事
建設業と近い業界で楽な仕事はないんですか?
不動産管理系の仕事は施工管理に比べて楽です。
ファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントとは、建物などのファシリティを最適化し経営に貢献する仕事になります。
ファシリティマネジメント職は、施工管理に比べてライフワークバランスがよいです。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 発注者として働ける
- ワークライフバランスがよい職場環境
- 施工管理の経験が強みになる
デメリット
- 収益部門の部署ではない
- 採用のハードルは高い
- 求人が少ない
いわゆる発注者の業務で、施工管理の経験を生かすことができ、建設業以外の異業種で働くことができるのが最大のメリットです。
ただし、求人数も少なく、ある程度建設業界の経験がないとなれないのがデメリットです。
僕も働いており、ワークライフバランスを整えたい施工管理の方には非常におすすめです。
詳しくはコチラの記事で解説しています。知っておいて損はしないと思いますので、一度目を通して見て下さい。
プロパティマネジメント
ファシリティマネジメントと似た職種で、プロパティマネジメントという職種があります。
プロパティマネジメントは、ビル全体をトータルでマネジメントする仕事です。
ディベロッパーや建物を所有する企業の子会社で、ビルマネジメント会社と言われることがあります。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 発注者として働ける
- 施工管理の経験を生かすことができる
- 大企業の子会社も多い
デメリット
- 配属先によって仕事内容に差がある
- 受託業務なので裁量権は少ない
- 給料は施工管理より少し下がる印象
ファシリティマネジメントと似たようなメリット、デメリットはありますが、発注者として働け、施工管理経験を生かすことができるのがメリットです。
給料面はファシリティマネジメントより少し下がる可能性がありますが、発注者として働きたいといった方におすすめの職種です。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、いわゆるビルメンといわれる職種で、防災センターの常駐員をイメージするとわかりやすいです。
ビルの設備点検や日常業務の管理など、建物の維持保全業務を行う職種になります。
メリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 残業が少ない
- 応募条件が緩いので未経験でも入社可
デメリット
- 夜勤がある
- 給料は資格がないと少ない
ビルメンテナンスは、とにかく残業が少なく未経験でも入りやすいのが最大のメリットです。
ただし、夜勤があったり、給料は資格を取得しないと低いのがデメリットです。
とにかく、ワークライフバランスを整えたいといった方におすすめです。
まとめ
それではまとめです。
施工管理が意外と楽というのは、現在の建設業界の状況を考えると少数派と言わざる得ません。その中でも、派遣社員や改修工事中心の企業で働くことで比較的ホワイトに働ける可能性はあります。
また、建設業に近い不動産業界の仕事であれば、ファシリティマネージャーなどは、施工管理の経験を生かしホワイトに働ける可能性が高いです。
では、また。
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